何も知らない

つれづれなるままに、ひぐらし、じゃなくてときどき、スマホにむかひて、そこはかとなくかきつくる。

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洗いたての服の匂いが落ち着かない。私にとってそれは別の匂いであり、私の匂いではない。

私が着てしばらくして、私そのものの匂いと洗剤・柔軟剤の匂いが混ざって薄まって、そこでようやく「私の匂い」という名の無臭になる。

 

思い返すと似たようなことがかなりあると思う。

 

削れて刺さりやすくなった部屋の鍵、柔らかくなった帆布のショルダー、油を帯びて艶が出た本革の財布。鍵以外持ってないけど。

 

 

それから一人暮らしが終わったときのことも考える。多分新しい街で、知らない街で、誰かと暮らし始めて、朝起きてから眠るまでの習慣が塗り替えられていく、その過程を楽しめるような余裕が欲しい。