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やばいぞお前。
いやごめんなさい、あなた。やばいですよ。
何がやばいかというと、この世の中全部。全部がやばい、いま。
本当はこんなに単純ではないし、比べられるものでもないし、いろいろな立場のいろいろな考えの人にとっては、こいつは何を言っているのだと馬鹿に思えるかもしれないけれども、言い方が正しくないかもしれないけれども、話を聞いてほしい。
最悪な思い出の東日本大震災と、今回のコロナ関連のできごとは大きく違う。
震災は、ドカンと大きく揺れて、津波が来て、原子炉が爆発を起こした時点で一応全て「終わった」のである。だから「復興」といって、もとの暮らしに戻りましょう、と残された人は努力をして、言わば一番下から必死に上がっているのである。もちろん未だ家族が行方不明であったり、家がなく住処がままならない方もいる。だが全て終わった時点で、上がる速さに個人差はあるにしろ、もう下がることはないと思う。
一方今はどうか。コロナウイルスの殲滅はいつになるのだろう。ワクチンができて、私たち全員が接種して、さあもう大丈夫。マスクをしなくてもいいですよ、自由に出かけていいですよ、となるのはいつだろう。そもそもそんな日が来るのか。私は本当に感染して死なないのか。
誰もわからないのではないか。
敢えて先程の言い方を使うならば、大きな揺れがずっと止まらない。日本だけでなくアメリカ、中国、フランス、ブラジル、あらゆるところに津波がおしよせ、あらゆるところで原子炉が爆発している状態。一番下まで落ちるのはいつだろう。いつになったら上がっていけるのだろう。
もっと分かりやすい言い方を試みるならば、部活の顧問の機嫌が悪く、運動場をもう一周、あともう一周走れと何度も追加されている状態。10周走ったら終わり、15分走ったら終わりではないあの苦しみ。
先が見えないということがいかに人間を壊すか。
実際いろいろな人が壊れている。
自覚がなく、知らないうちに少しずつずれていって、いつか爆発してしまうような気がする。
あなたは大丈夫ですか。
私は大丈夫ですか。
はやく一緒に楽しいことをしましょう。