何も知らない

つれづれなるままに、ひぐらし、じゃなくてときどき、スマホにむかひて、そこはかとなくかきつくる。

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 今年に入って、手が届く届かない関わらず私の周りの人が4人死んだ。

 

 その中の1人は病気で死んだので、仕方ないと言えば聞こえは悪いが、逃れようとしてもなかなか難しかったと思う。しかしかなりこたえる。

 大学生になって一番最初にできた友達で、一番仲が良かった。自他ともに兄弟のように感じていて、彼が好きだったアーティストの言葉を借りるならば、切り分けた果実の片方であった。恋愛感情こそなかったが、それ以外の感情は全てあった。親しくなり、大切に思い、仲が悪くなり、憎んで、許せるかも、なんて独りよがりしていたうちに、死んだ。何も言えずに。もう会えないのだ、という事実と、くだらないことで腹を立てて縁を切るなんて言ったこと、それを挽回する機会もなかったことが悔しい。

 どうか許さないで、私がそちらへ行ったときは恨んで辛んでください。

 


 他の3人は、とても手の届かないような人たち。華々しいだけではない世界で、ひときわ輝いて見えた人たち。

 家に篭もり、日光を浴びたり運動したりしないと気が滅入る、というのは実体験としてある。当人のことなんてどうしても分からないし憶測で語るべきではないが、昨今の状況が全く関係していない訳ではなかろう。親しい人と直接会って話して分け合うことも、思うままに買い物や運動をして晴らすこともできなかったストレスは、私たちを蝕む。

 

 人間は、案外脆い。最終的にブレーキをかけるのは自分だが、斃れた人たちを忘れなければ、彼らは私の支えとして永遠に心の中で生きる。

 

 どうか心で生きましょう。